年齢を重ねると、「最近、物忘れが増えた気がする」「以前より集中しにくくなった」と感じることがあります。
認知機能の変化には年齢だけでなく、生活習慣や運動習慣、社会との関わり方、睡眠、食生活など、さまざまな要素が関係しています。
その中でも毎日の食事は、長い期間にわたって続ける習慣だからこそ、意識しておきたいポイントの一つです。
ただし、特定の食品を食べたからといって認知症になるわけではありません。大切なのは、一つの食品だけを問題視するのではなく、食事全体のバランスを考えることです。
そもそも認知症とはどのような状態?
認知症は、記憶力や判断力、思考力、情報を処理する能力などが低下し、日常生活に影響が出る状態を指します。
代表的なものとして知られているのがアルツハイマー型認知症です。比較的新しい出来事を覚えにくくなったり、同じ話を何度も繰り返したり、予定を忘れたりするなどの変化が見られることがあります。
このほかにも、脳の血管に関係する認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあり、それぞれ特徴が異なります。
例えば脳血管性認知症では、脳梗塞などをきっかけに認知機能が変化することがあります。レビー小体型認知症では、注意力の変動や実際には存在しないものが見えるように感じることなどが特徴として挙げられます。
前頭側頭型認知症では、性格や行動、言葉の使い方などに変化が現れる場合があります。
認知機能の変化は原因によって対応も異なるため、気になる状態が続く場合は医療機関で相談することが大切です。
食生活はどのように考えればいい?
認知機能を意識した食生活では、特定の食品だけを完全に避けることよりも、さまざまな食品を組み合わせて栄養バランスを整えることが基本になります。
野菜や果物、魚、豆類、全粒穀物などを取り入れた食事は、健康的な食生活の一例として知られています。
一方で、脂質や糖質などに偏った食事を長期間続けることは、生活習慣全体を考えるうえで見直したいポイントです。
では、日常的に摂取量を意識したい食品には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ここからが特に知っておきたいポイントです。
見直したい食品1:脂身の多い肉やラード
牛肉や豚肉などの脂身やラードは、料理によっては便利に使える食品ですが、摂取量が多くならないよう注意したい食品の一つです。
脂質の摂り過ぎは血中脂質のバランスなどにも関係し、長期的な健康管理を考えるうえで意識しておきたいポイントになります。
肉を食べる場合も、脂身の多い部分だけに偏らず、さまざまな食材を組み合わせることが大切です。
見直したい食品2:バターやマーガリン
バターやマーガリンも、パンや料理などで日常的に使われる食品です。
少量を使用するだけなら食生活の中で取り入れられますが、使用量が多くなりやすい人は一度普段の摂取量を確認してみてもよいでしょう。
脂質の種類や量を意識し、植物性の油なども含めてバランスよく選ぶことがポイントです。
見直したい食品3:菓子パン
朝食や間食として手軽に食べられる菓子パンも、摂取量を意識したい食品の一つです。
商品によっては糖質や脂質を多く含むものがあり、菓子パンだけで食事を済ませる習慣が続くと、ほかの食品から摂れる栄養素が不足しやすくなる可能性があります。
忙しいときには便利ですが、野菜やたんぱく質を含む食品などを組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。
見直したい食品4:飲酒量が多い場合
食品とは少し異なりますが、認知機能を考えるうえでは飲酒習慣にも目を向けたいところです。
飲酒量が多い状態が長く続くと、健康面でさまざまな影響が生じる可能性があります。
お酒を楽しむ場合も量を意識し、休む日を設けるなど、無理のない範囲で習慣を見直すことが大切です。
食事以外にも意識したい生活習慣
認知機能を保つためにできることは、食生活だけではありません。
日常生活の中で体を動かす習慣を作ることも重要です。例えばウォーキングなどの無理のない運動は、体力維持や生活習慣の管理にも役立ちます。
また、人と話したり、趣味の活動に参加したりすることも、日常的に頭を使う機会になります。
将棋やパズル、クロスワード、数独など、自分が楽しみながら続けられる知的活動を取り入れるのも一つの方法です。
大切なのは、難しいことを無理に続けるのではなく、楽しみながら継続できる活動を見つけることです。
生活習慣の管理も忘れずに
高血圧や糖尿病、血中コレステロールなどの生活習慣に関係する要素も、健康管理のうえで重要です。
食事の塩分やカロリーに気を配り、野菜や果物などを取り入れながら、食べ過ぎないことを意識することもポイントになります。
さらに、喫煙を控えることや飲酒量を見直すこと、適度に体を動かすことなども、全身の健康を維持するための基本的な習慣です。
認知機能の変化は早めに確認することも大切
物忘れは年齢とともに誰にでも起こり得るものですが、生活に支障が出るほど変化している場合には注意が必要です。
例えば、以前できていたことが急に難しくなったり、何度も同じことを忘れたり、道に迷うことが増えたりするなど、以前とは明らかに違う変化が続く場合があります。
また、認知機能の低下に似た症状でも、ビタミン不足や甲状腺機能の低下など、別の原因が関係しているケースがあります。
そのため、気になる変化がある場合は自己判断だけで済ませず、家族などにも相談しながら医療機関で確認してもらうことが大切です。
特定の食品だけを恐れる必要はない
認知症は一つの食品だけが原因となって発症するものではありません。
今回紹介した脂身の多い肉やラード、バターやマーガリン、菓子パン、そして過度な飲酒についても、完全に排除するという考え方ではなく、普段の食生活の中で量や頻度を見直すことがポイントです。
毎日の食事では、さまざまな食品をバランスよく組み合わせることを意識しましょう。
そして、食生活だけに目を向けるのではなく、運動、人との交流、知的活動、生活習慣の管理なども含めて、無理なく続けられる健康習慣を作ることが大切です。

